《一級建築士製図試験》令和4年度受験者が押さえたい5つのポイント

一級建築士 製図試験

建築技術研究所 です。

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特に、製図試験のポイントや考え方について自身の受験経験を基に記事を作成しています。
試験に向けての学習の補助として活用していただけると嬉しいです。

この記事は、過年度の試験向け記事です。
令和6年度の記事は、以下のリンクから遷移してください。

令和4年7月22日(金)に令和4年度の課題が試験元(建築技術教育普及センター)より発表されました。
令和4年度の課題は【事務所ビル】です。

事務所ビルは、基準階型の建物構成になると思われます。
3階建の可能性も全くないわけではありませんが、過去の傾向から考えても、この部分は素直に出題されるのではないかと思います。

また、事務所ビルでもテナントビル・自社ビル・複合ビルテナントビルでも1フロア貸なのかそうでないかなど、想定される形態はさまざまです。

試験の特性を考慮すると、低層階は一般の人も利用する複合型が有力で、その次に考えられるのは、自社ビルで大ホール等を持つ建築物となるのではないかと思います。

事務所ビルは、一級建築士試験で出題される建築物の用途の中では珍しく、特殊建築物ではないため、関係する法規的な部分も少し変わってきます。

この記事では、受験者が基準階型の課題に取り組むうえで必要な5つのポイントについてお伝えしていきます。

  • 基準階の構成で合格は決まらない
  • 作図スピードが合否を分ける
  • コアの構成プロセスが低層階型とは反対になる
  • 大空間の捌き方が基準階の計画に影響する
  • 法規の知識をエスキスに反映させる
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基準階の構成で合格は決まらない

基準階型の課題が出題された時、基準階の構成で合格は決まりません。

なぜならば、資格学校等で教えられた通りにエスキスを進めていくことさえできれば、基準階部分は大多数が同じような構成になるからです。

反対に、それができていない受験者は、間違いなく不合格になると言っても過言ではありません。

基準階型の構成に限らず、大多数ができていることができていなければ、合格はできません。

作図スピードが合否を分ける

前項の通り、試験の合否を分けるのは、1、2階の構成と法規的な知識(後述)であり、少しのミスで結果が変わってしまいます。

そのため、速く図面を描き、より長い時間をチェックに使って取りこぼしを防ぐかで合否が決まると言っても過言ではありません。

コアの考え方

このブログでも、コアについての記事を書いていますが、これらの記事の内容はゾーニング型のエスキスにおける思考プロセスを示したものです。

コア配置についてゾーニング型基準階型の違いを端的に言えば、ゾーニングの計画では下階から決まるのに対して、基準階型の計画では上階(基準階)から決まっていきます。

この理由は、事務室の面積やスパン割りなどが優先され、それに対してコアを計画するためです。

大空間の捌き方が基準階の計画に影響する

試験では、基準階型の課題でも1,2階部分はコミュニティセンターなど事務室とは別の用途の機能を持つのが一般的です。
そして、その低層階では、ゾーニング型の場合と同様に大空間の計画が求められることが予想されます。

試験のテクニックとしては、大空間を上階が基準階となる部分に以外で計画することを基本とします。
それでうまく構成できない場合は、大空間すべてが基準階の範囲に納まるように計画していきます。
反対に、大空間が基準階下部とそれ以外を跨ぐことは絶対にありません。

これは、構造的に架構を考慮した結果です。

大空間が基準階下部とそれ以外を跨いではいけないと思うと難しく感じるかもしれまれんが、実際は、この考え方がエスキスを進めるうえでのヒントになります。

法規の知識をエスキスに反映させる

私が、基準階型の内容で気を付けなければならないのが、【高さ(斜線)制限】です。

基準階型の課題では、エスキスで斜線について検討することが、法規的にNGにならないために必要です。

資格学校では、これからの課題で必ず扱うと思いますが、しっかりと判断ができるようにしていきましょう。

また、事務所ビルは、冒頭で挙げた通り、特殊建築物ではありません。そのため、防火区画が必要な理由、ひいては、耐火建築物としなければならない理由は、法27条ではなく、法61条(法62条)となります。

この内容は、学科でも学習した内容です。
自信がない方は、もう一度テキストを読み直して、理解しておきましょう。

出題予想

ここからは、あくまで私の予想です。

【事務所ビル】と聞いて、まず、思いつくワードは《レンタブル比》です。
貸ビルの課題だった場合、計画の中でレンタブル比をどのように考えたのかを問う問題が計画の要点で出題されるかもしれません。
《レンタブル比》とは、以下の通りです。

レンタブル比:全体の面積に対する収益部分の床面積の合計

建物全体のレンタブル比:65~75%程度
基準階のレンタブル比:70~85%程度

また、昨年度の出題から鑑みて、要求室(事務室)の面積や室数は、具体的に示されず、受験者自身が判断するような出題となる可能性は十分にあります。

そして、容積率から全体の床面積を判断し、全体の床面積から事務室(収益部分)の床面積を判断するような手順を踏むような出題になっていることも考えられます。

まとめ

  • 基準階の構成で合格は決まらない
  • 作図スピードが合否を分ける
  • コアの構成プロセスが低層階型とは反対になる
  • 大空間の捌き方が基準階の計画に影響する
  • 法規の知識をエスキスに反映させる
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