建築技術研究所 です。
ブログやTwitterから建築士試験についてお伝えしています。
特に、製図試験のポイントや考え方について自身の受験経験を基に記事を作成しています。
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今回は、所要室と利用者動線についてお伝えします。
- 各所要室は、共用部を介してアプローチする
- 要求室の特記事項として計画する室は、共用部からの動線が不要
- 共用部も同様の考え方をする
利用者動線は、共用部を介す
不特定多数が利用する建築物は、基本的に共用部を介してい各所要室にアプローチする動線を計画します。
また、部門単独の入り口を要求され、計画することもあります。
近年の試験では、”各要求室を適切に配置”すればよいため、必ずしも、同一部門が同一階にまとめられるとは限りませんが、複数の部門がひとつの階に配置される場合は、それぞれが共用部(廊下等)を介した動線としなければならず、異なる部門を通過しければアプローチできない室を計画してはいけません。
これは、各所要室間でも同様で、前室やホワイエ等でない限り、他の室を通過しなければアプローチできない室を計画してはいけません。
共用部からの動線が不要な場合
家内の要求によって共用部からの動線が不要な場合があります。
結論からお伝えすると、所要室の特記事項として要求された室は、共用部からの動線は不要です。
例えば、「所要室A」と「準備倉庫」が要求されたとします。
それぞれが所要室として要求された場合は、これまでの話の通り、「所要室A」と「準備倉庫」の両方が共用廊下からアプローチしなければなりません。
一方で、「所要室A」の特記事項として「準備倉庫」が要求された場合、「準備倉庫」は、「所要室A」からのみ動線があれば、課題の要求を満たすことになります。
共用部の動線
この考え方は、共用部門も同様です。
間違えやすい例として、テラス等の屋外施設があります。
例えば、要求室に「カフェ」「レストラン」などテラスと動線を関連付けやすい室がある場合、それらの室からのみテラスへの動線を計画する受験者が少なからずいます。
先述の通り、「カフェ」「レストラン」の特記事項としてテラスがある場合は、この考え方で要求を満たします。
しかし、屋外施設としてテラスを要求された場合は、「カフェ」「レストラン」からのみの動線が取られている場合は、基本的にNGであり、共用の廊下等からもアプローチできる必要があります。
また、動線は、室内を基準に考えるため、「カフェ」「レストラン」からの動線と外部からの動線という計画も同様にNGです。
まとめ
- 各所要室は、共用部を介してアプローチする
- 要求室の特記事項として計画する室は、共用部からの動線が不要
- 共用部も同様の考え方をする