建築技術研究所 です。
ブログやTwitterから建築士試験についてお伝えしています。
特に、製図試験のポイントや考え方について自身の受験経験を基に記事を作成しています。
試験に向けての学習の補助として活用していただけると嬉しいです。
今回は、以前に空間構成について書いた記事の中から、動線についてもう少し詳しくお伝えします。
- 各階ホールを利用者動線の基点とする
- 性質が異なる動線は交錯させない
- 搬入動線(管理動線)は各階1つが原則
利用者動線
利用者動線は、各階ホールを基点として計画します。
また、利用者が多いと想定される室(面積が大きい室)ほど、廊下を介することなく、ホールから直接アプローチ出来ることが望ましいと考えられます。
近年の試験の傾向では、各室の配置について『各部門を適切に配置』から『各要求室を適切に配置』に変わってきています。
そのため、従前のように階別に部門を構成するのではなく、性質が異なる動線が交錯しないように各要求室を配置することが多くなってきました。
課題の要求に従う
共用部から各部門・室への動線には、課題で指定される場合があります。
要求次第では、共用ホールとは別に専用ホールを設けて、そこから各室にアプローチする場合もあります。課題の要求を適切に把握しましょう。
動線の交錯は厳禁
ホールから各部門への動線において、別の部門を通過しなければアプローチできない計画は、空間構成で大きく減点されるため、多くがランクⅢになってしまいます。
その他の施設
その他の施設(屋外施設)は、特定の室からのみアプローチできるものではなく、共用部からアプローチできることが原則です。
ただし、課題で要求があった場合には、その指示に適切に従いましょう。
搬入動線(管理動線)
搬入動線(管理動線)は、各階1つを原則とします。
2つ以上を確保しようとすると利用者の動線と分離できず、交錯してしまうことがほとんどです。
厨房等で外部から直接アプローチが可能な室の場合は、この限りではありません。
課題文に対して適切に従いましょう。
同一階2搬入
先述の通り、基本は各階1つの搬入動線(管理動線)ですが、上図の構成の場合においては、同一階に2つの搬入動線を確保できます。
まとめ
性質が異なる利用者の動線及び利用者と搬入(管理)の動線の交錯を起こさないためには、
【ホール】と【コア】の位置が空間構成に大きな影響を与えます。
課題の数をこなし、いくつかの基本のパターンさえ覚えてしまえば、あとはそれを組合わせて解いていけば、必ずプランは完成します。
- 各階ホールを利用者動線の基点とする
- 性質が異なる動線は交錯させない
- 搬入動線(管理動線)は各階1つが原則