《一級建築士製図試験》受験者必見!【エスキスで重要な〖空間構成〗の基本】

一級建築士 製図試験

建築技術研究所 です。

ブログTwitterから建築士試験についてお伝えしています。

特に、製図試験のポイントや考え方について自身の受験経験を基に記事を作成しています。
試験に向けての学習の補助として活用していただけると嬉しいです。

今回は、製図試験で大切な【空間構成】の基本的な考え方についてお伝えします。

  • 平面計画における【空間構成】の中心は、各階ホール
  • 断面計画における【空間構成】は、吹抜けや大空間に支配され、コアが各階の平面計画をまとめる
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平面計画

平面計画における空間構成の中心は、各階ホール(共用部)です。

また、ホールと各室が廊下を介して適切に接続されることが重要です。
この時の廊下は平面構成の軸になります。

そして、空間を構成する作業は、『ひとつの室を配置して、その室からホールまでを最も単純な廊下で結ぶ』という作業の繰返していきます。
このときの室の配置順序は、重要度が高い室面積が大きい室・利用者が多い室)から配置されます。
「重要度」=「人の流れ」を考えることは、試験で重要な空間構成の要素のひとつです。

また、各階に存在するふたつの階段も互いに単純な廊下で結ばれているような計画とします。
これにより、平面的な人の流れがスムーズ(単純)にするだけでなく、避難距離を短くしたり、2方向避難を明快にしたりすることができます。
そして、適切な階段の位置は、建築物のどちらか片側のみに偏ることなく下図のように配置されています。

これができていないプランでは、図面を見た時に動線がわかりにくく、採点者が図面を見る時間が長くなってしまう(=粗探しされやすい)ため、採点上不利になります。
また、避難距離や重複距離の不適合は、それだけでランクⅣになり得ますので十分注意が必要です。

空間構成を理解していない受験者ほど、所要室の配置ばかり優先され、適切に各階ホールや廊下等の共用空間を確保できていません。

断面計画

平面計画では、ホール(共用部)を中心として廊下が軸となり空間が構成させますが、建築物全体をまとまりのある計画とするためには、吹抜けや大空間(※)などの立体的な構成が重要になります。
※「大空間」とは、2層にわたり吹抜ける室を指します。

吹抜けや大空間は、上階の平面的外形を意識して配置します。

また、平面的にも重要なコア(階段)は、断面的な空間構成においても重要な要素です。
コア(階段)の位置は、平面計画で重要な各階のホールを結ぶ役割があります。

コア(階段)を適切な位置に計画できれば、平面的な空間構成をまとめ、建物全体がまとまりのある空間構成となります。

まとめ

一級建築士製図試験は、課題文を読取り、【空間構成】を課題文に従って処理していく試験です。

この時、「ここがこうなったらいいな」というような個人の意思は介在せず、常に論理的思考に基づいて進行されます。

  • 平面計画における【空間構成】の中心は、各階ホール
  • 断面計画における【空間構成】は、吹抜けや大空間に支配され、コアが各階の平面計画をまとめる
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