今回は、エスキスの空間構成の中でも、エントランスホール(以下EH)を含む、各階のホールについて掘り下げてお伝えしたいと思います。
- 各階の利用者動線の基点となるのがホールであり、それらが空間構成の中心
- ホールの面積や配置によって空間構成の出来栄えに対しての印象が大きく変わる
- 理想的な各階毎の面積比率は、〔1階(EH)>2階≒3階〕
空間構成の中心
以前の記事でもお伝えしていますが、各階の利用者動線の基点となるのがホールであり、それらが空間構成の中心になります。
ホールの大きさによって室への動線の取り方が変わったり、室の面積にも影響したりします。
瞬間的な評価
ホールの面積や配置によって空間構成の出来栄えに対しての印象が大きく変わります。
試験に合格するということを考えると、採点者が初めて見た瞬間にいい印象を与えるが重要になります。
「70㎡の吹抜け-」の記事中でもお伝えしましたが、ホールの大きさによって、人の流れを意識して空間を構成していないように見える原因となります。
理想的な大きさ
理想的な各階毎の面積比率は、〔1階(EH)>2階≒3階〕です。
これは、建物内の「人の流れ」を考慮した結果です。
EHの大きさは、課題要求によりますが、「人の流れ」を考慮すると、2,3階よりも小さくなることはありません。
面積の目安
面積の目安は、EHで200㎡程度、2,3階で80~100㎡(2コマ)程度だと思います。
EHは、課題要求によって大きさが前後しますが、コミュセン型の場合、2,3階は概ねどんな課題でもこの程度です。
面積が余ってしまう時は
エスキスを進めていくと、建物の面積が余ってホールが大きくなってしまうことが、あるかもしれません。
本来であれば、ボリューム検討に戻るべきところですが、一発勝負の試験のため、状況次第では、とにかくエスキスを進める選択をする場合もあります。
そのような時は、任意の室を設けることで、空間を埋める(面積を稼ぐ)場合もあります。
その際は、以下の2点に注意すべきです。
- 要求室に含まれる用途・名称にしない
- 大きさは1コマ(40から50㎡)が限度
要求室に含まれる用途の空間を設けてしまったり、その面積があまりにも大きいと、空間構成が出来ていないことを採点者にアピールしてしまう結果となってしまいます。
大きさが1コマを超えてしまう時は、急がば回れで、そのまま進めるよりもボリューム検討に戻ることをおすすめします。
まとめ
- 各階の利用者動線の基点となるのがホールであり、それらが空間構成の中心
- ホールの面積や配置によって空間構成の出来栄えに対しての印象が大きく変わる
- 理想的な各階毎の面積比率は、〔1階(EH)>2階≒3階〕