建築技術研究所 は、ブログやTwitterから建築士試験についてお伝えしています。
特に、製図試験のポイントや考え方について自身の受験経験を基に記事を作成しています。
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試験での立ち回りを理解するためには、標準解答例を使用した学習が有効な手段のひとつになり、そのためには、まず、標準解答例の特徴を理解しておく必要があります。
今回は、標準解答例を使用した学習方法についてお伝えします。
- 『標準解答例=模範解答』ではない!
- 【法規の考え方】と【図面表記】は標準解答例のを参考にする
- 課題文への解釈の正否を確認する
標準解答例の前提
『標準解答例=模範解答』ではない!
標準解答例を使用した学習の前提として、『標準解答例=模範解答』ではないことを理解する必要があります。
標準解答例は、常に”後出し”であるため、その年の解答状況に応じて、ミスなく描き上げれば、ギリギリ合格するレベルの図面いわれています。
(たまに、岡持ち柱等、一般的にNGとされている計画がされているのは、ほかにミスがあれば、不合格になってしまうレベルで描かれているためです。)
そのため、計画を細部までマネする必要はなく、アプローチの方法やゾーニング(空間構成)が自分の解答とどのように異なっていたかを確認すれば、充分学習になります。
標準解答例で確認したいこと
前項の一方で、【法規の考え方】と【図面表記】については、標準解答例の内容を完全に理解することが、合格するためには求められます。
特に、法規の考え方については、平成30年度の標準解答例から考え方が標準解答例の右下に示されています。(理解できていない受験者が多いため、示されることになったと思います。)
法規の中でも、防火関係(防火区画、延焼ライン)や高さ制限(道路斜線、北側斜線)、避難関係(歩行距離、通路幅等)は、確実に理解したいところです。
※高さ20m以上の基準階型の場合には、隣地斜線の検討も必要になるかもしれません。
課題文の解釈・理解の差を埋める
この試験において、課題文独特の言い回しの解釈が難しい場合があります。
その解釈が誤っている場合、初見で課題文への対応が正しかったのかを標準解答例で確認することも重要な学習のひとつです。
この試験では、毎年、必ずと言っていいほど、難解な言い回しが含まれているため、標準解答例を使用した学習に限らず、資格学校の練習課題においても初見での解釈が正しかったのかを確認することは、合格するために必要です。
まとめ
- 『標準解答例=模範解答』ではない!
- 【法規の考え方】と【図面表記】は標準解答例のを参考にする
- 課題文への解釈の正否を確認する