製図試験を角番で受験した方は、万が一の角番落ちに対してどのような準備をしていますか。
以前のブログにも書きましたが、角番受験者にとって何の準備もせずに合格発表を迎えると、ダメだった時に学科のスタートが遅れてしまいます。
そこで今回は、角番の方向けに直近の建築基準法大改訂(R1.6.25施行)について重要なものをまとめました。(列挙した内容は、改正のごく一部です。)
詳細な変更点や建基法概要については、下記の国交省HPをご参照ください。
https://www.mlit.go.jp/common/001210249.pdf
特殊建築物(法6条1項1号)
第六条
建築基準法第6条第1項第一号~四号
一 別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が二百平方メートルを超えるもの
二 木造の建築物で三以上の階数を有し、又は延べ面積が五百平方メートル、高さが十三メートル若しくは軒の高さが九メートルを超えるもの
三 木造以外の建築物で二以上の階数を有し、又は延べ面積が二百平方メートルを超えるもの
四 前三号に掲げる建築物を除くほか、都市計画区域若しくは準都市計画区域(いずれも都道府県知事が都道府県都市計画審議会の意見を聴いて指定する区域を除く。)若しくは景観法(平成十六年法律第百十号)第七十四条第一項の準景観地区(市町村長が指定する区域を除く。)内又は都道府県知事が関係市町村の意見を聴いてその区域の全部若しくは一部について指定する区域内における建築物
実務でも大きな変化があったかと思いますが、別表第一(い)欄各号に掲げる特殊建築物に対する面積が100㎡から200㎡に変わりました。
これは、既存の建築ストック活用を目的に、確認申請がネックになっていた用途変更を行いやすくするための改正でした。
しかも、これまで確認申請が必要だった新築の100㎡≦A<200㎡の別表第一(い)欄各号に掲げる用途の建物が四号に該当し、法6条の4に規定する、所謂「四号特例」が使えるため負担が軽減されました。
防火関係規定
延焼の恐れのある部分(法2条6号)
大規模建築物(法21条1項、令109条の5)
耐火建築物としなければならない特殊建築物(法27条1項、令126の6、令126条の7)
(準)延焼防止建築物(法61条、令136条の2) 他
上記の通り防火関係の規定も大きく変更点が出ています。
これらによって、実務的にも確認申請書の第四面が変更されました。
防火関係の問題は、出題しやすい内容なので押さえておく必要があると思います。
特に、この改正では「延焼防止建築物」という新しい言葉ができました。しっかりと理解しましょう。
各条文については、ご自身で法令集を引いてみてください。
既存不適格建築物への対応
用途変更に係る全体計画認定の導入(法87の2)
一時的に他の用途に転用する場合の制限緩和(第87条の3)
法6条1項1号と同様に既存のストック活用を目的に既存不適格建築物への制限緩和を行いました。
これらの内容も問題として引っ掛けやすい内容だと思うので、押さえておきましょう。
まとめ
令和2年になってからも、無窓居室の主要構造部の緩和(令111条)やアトリウム空間の特定防火設備(令109条、令112条)など法改正が行われています。
独学の方はもちろん、資格学校に通われる方も常に情報を更新し、新傾向の問題にも対応できるよう準備しましょう。
私もまだまだ勉強不足なので、日常的に勉強しています。
建築技術研究所 Ohashi