《一級建築士学科試験》学科Ⅳ 構造【単純梁系ラーメンの曲げモーメント図】

一級建築士 学科試験

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今回は、学科Ⅳ(構造)の過去問の中から、単純梁系ラーメンの曲げモーメント図について、試験的な考え方を解説します。(H29年度No.3)

著作権等の理由から本記事では、試験問題を掲出しておりません。
以下のリンクより過去の試験問題等(公益財団法人建築技術教育普及センター)をご参照ください。

  • すべての反力を求める必要はない
  • 選択の決め手となる部分のみ計算し、時間を短縮する
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考え方の基本

一般的に不静定構造の解法は、外力(荷重)による各支点の反力を求めてから、各点の曲げモーメントを求めます。

しかしながら、試験問題は四肢択一のため、すべての反力を求める必要はなく、選択肢を絞るために必要な部分だけを計算します。

また、その他にこの問題を解くうえで必要な知識は、以下の2つです。

  • ΣX=0 , ΣY=0(反力を含めた各方向の力の合計は0になる。)
  • 作用線上の力による曲げモーメントは発生しない。

なお、説明では、便宜上、下図のように記号を付けます。

手順1 C点の曲げモーメント

まず、C点の曲げモーメントを計算するため、AC間を切り取ります。

C点の曲げモーメントを計算するうえで、荷重P及びA点の鉛直反力(VA)は、C点の作用線上にあるため、その力の大きさに関わらず影響しません。そのため、C点の曲げモーメントに影響するのは、A点の水平反力(HA)のみであることが分かります。

水平反力(HA)による曲げモーメントを計算します。

・水平反力(HA)
ΣX=P-HA=0
HA=P

・C点の曲げモーメント
MC=P×2L=2PL

よって、C点の曲げモーメントは、2PLであることが分かったため、選択肢2・4は正解肢でないことが分かります。

手順2 D点の曲げモーメント

次に、D点の曲げモーメントを検討するため、BD間を切り取ります。

D点の曲げモーメントを計算するうえで、B点の鉛直反力(VB)は、C点の作用線上にあるため、その力の大きさに関わらず影響しません。

また、B点はローラー支点のため、水平反力は発生しません

そのため、D点には曲げモーメントが発生しないことが分かります。(MD=0)

ここで、選択肢1,3を確認すると、D点の曲げモーメントが0なのは選択肢1のため、この問題の正解は、選択肢1であることが分かります。

試験的な考え方

冒頭でもお伝えした通り、試験問題を解くうえでは、すべての反力を求める必要はありません。
今回取り上げた問題でも、鉛直反力は、解答に影響ないため求める必要はありません。
なお、鉛直荷重(4P)も解答に影響ありません。

また、選択肢を選ぶ際は、各選択肢の同じ部分、異なる部分を比較して、決め手となる部分のみを計算することで、解答時間を短縮できます。

まとめ

  • すべての反力を求める必要はない
  • 選択の決め手となる部分のみ計算し、時間を短縮する
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