建築技術研究所 です。
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今回の記事は、製図試験の受験テクニックについてです。
試験に合格するためには、エスキスや作図の知識もさることながら、試験での立回り、所謂、受験テクニックも必要になります。
製図試験での受験テクニックは、試験が相対的な評価であることを念頭に置いたものが多いです。
今回は、その受験テクニックの中から、”びっくり玉”とも言われる初出題の内容への対応についてお伝えします。
- エスキスで初出題の内容を深追いして、エスキスで時間を浪費しない
- 必ず1つは”びっくり玉”が出題される
- 過去の”びっくり玉”は、絶対に落とせないサービス問題
- 近年の傾向は、法規的な内容を問う問題が増えている
初出題への反応
製図試験では、”びっくり玉”とも言われる初出題となる内容が必ずあります。
そして、びっくり玉への対応を完璧にできる受験者は多くありません。
そのため、その内容が合否を分けるような採点基準になりにくく、少しくらいできていなくても、受験者自身の解釈で課題文を理解して解答さえしていれば、それだけで不合格になるとは考えづらいです。
(まったくできていなかったり、法規的に違反していたりする場合は除きます)
それにもかかわらず、不合格になる受験者の中には、初出題の内容を深追いして、エスキスで時間を浪費し、自滅してしまう人が少なくありません。
合格する図面を描くためには、時間配分がとても重要で、時には割切った考え方も必要です。
近年のびっくり玉
近年の傾向として、受験者自身が適切に設定した内容を図面や計画の要点で説明する問題や、法規をはじめとする学科の内容を問う問題が多い傾向にあります。
また、H30年からは、問題用紙のサイズが大きくなって界隈を騒がせたり、R1年からは、計画の要点での図が、これまでの補足的な役割から必ず記入することに変更されています。
過去のびっくり玉への対応
試験では、びっくり玉として出題された内容が、翌年度以降も少し難易度を上げて連続出題されています。
また、その中でも法規に関する部分が重要視され、採点の比重も大ききなっているように感じます。
そして、初出題ではびっくり玉だったとしても、翌年度以降に出題された場合は、”絶対に落とせない”サービス問題となるため、充分な対策が必要です。
H29年に出題された「コンセプトルーム」は、H30年にも出題されました。このとき、H29年では「適宜」だった室面積が「計約100㎡」となって、少し難易度が上がったのに加えて、1室でなくても合計で約100㎡でよかった部分もポイントでした。(R1年も「室の設え」(要点)として少し形を変えて出題されています)
H30年の「防火区画に用いる防火設備の位置及び種別」(通称、○特・○防)は、令和の試験で定番化しています。
R2年の耐震ルートは、R3年にもほぼそのまま出題されました。
R4年は、支持地盤が深く、杭基礎を計画する必要がありました。例年は、「杭打ちは必要ない」と課題文にあったものの、R4年の試験では、その記載はなくなりました。
R4年の試験でも似たような内容が出題される可能性は十分あり、先述の通り、絶対に落とせないサービス問題となります。
また、近年の試験傾向を考慮すると、R5年の試験でも、緩和規定を絡めた複雑な斜線(高さ)制限への対応や非常用進入口の計画等、法規的な内容から”びっくり玉”として出題される可能性もあると考えています。
ちなみに、資格学校を利用している方で、講師が出題されないと予想した内容は、意外に出題されることもあるため、様々な可能性を想定して試験に臨みましょう。
まとめ
- エスキスで初出題の内容を深追いして、エスキスで時間を浪費しない
- 必ず1つは”びっくり玉”が出題される
- 過去の”びっくり玉”は、絶対に落とせないサービス問題
- 近年の傾向は、法規的な内容を問う問題が増えている