建築技術研究所 です。
ブログやTwitterから建築士試験についてお伝えしています。
特に、製図試験のポイントや考え方について自身の受験経験を基に記事を作成しています。
試験に向けての学習の補助として活用していただけると嬉しいです。
今回の記事は、試験に向けての学習についてです。
どんな試験でも合格を目指すためには、どうしたら合格できるかを考えることは非常に重要です。
建築士試験、特に製図試験も例に漏れず、行き当たりばったりの学習ではなく、どうしたら合格できるか(どうしたら落ちないか)を考えなければ、合格は難しいです。
結論から言えば、『どうしたら合格できるか』を知るための第一歩は、合格者が描いた(復元)図面(以下、合格図面)を見ることです。
受験者の中には、試験元の標準解答例を参考にするという方も少なからずいるかと思いますが、標準解答例は、『このくらい描ければギリギリ合格するかな』くらいの内容で、《標準解答例≠模範解答》であることを忘れてはいけません。
ただ、法規的な内容に関しては、H30年の試験から標準解答例の右下に記載されている[●今後の学習に向けて]は、確実に理解する必要があります。
合格図面を見ることが重要な理由
合格図面を見ることが重要な理由は以下の2つです。
- 完璧でなくてよいことを知ることができる
- 確実に押さえているポイントを確認できる
完璧でなくてよいことを知る
合格図面を見ることが重要な理由は、合格するための最低ラインを理解できることです。
合格できない受験者の中には、合格へのハードルを勝手に上げている場合が少なからずあります。
実際は、「この程度で良いのか」と思えるほど、完璧とは言い難い図面も多くあります。
以下に令和元年「美術館の分館」の合格図面の例を挙げます。
これは、私が合格した時の解答です。
後から見返すと結構ひどいなと思いますが、6時間半の中でこの程度の図面が描ければ合格できるのです。
確実に押さえているポイントを確認
前項では”この程度”という表現をしましたが、合格図面には、共通して押さえているポイントがあります。
そのポイントを押さえることで”減点されない図面”となり合格できる確率を上げる事ができます。
前項の私のR1解答を例とすると、動線を整理していることです。
利用者動線は、建物の中央部にある共用ホールを基点とし、管理動線は、利用者動線と明確に分離しています。
また、建物形状が整形に近いことで”できている感”が出るのも受験テクニックのひとつです。
自分には何が足りないのかを考える
2回目以降の受験者は、特に、合格図面と自分の図面を見比べて、【できているポイント】と【できていないポイント】を理解することで、合格に向けての”ゴール”がより明確になります。
それを基に自分がどのような勉強をしていけばよいのかを早い段階で理解し、実行することが、合格へのスタート地点です。