《一級建築士製図試験》エスキスで重要！【集合住宅のコア位置と空間構成】

基準階型のエスキスにおいて、【空間構成】は基準階から決まり、それが下階へと下りてくるのが一般的です。

今回は、基準階が下階へ影響を与えるものの中でも、最も空間構成に影響が大きいコア位置について考えていきます。

空間構成の優先順位とコア位置

今回は、一例として、上図のように基準階以外(2階)にも住戸があるパターンを例として説明していきます。

上図の構成の場合、空間構成が決定される順序は、

① 住戸A及び住戸B → ②居住者用コア → ③1階の構成

となります。

この時、居住者用コアの位置により、1階の大まかな構成は決まってしまいます。

そして、大空間は《基準階下部から外した位置》の《建物の角から》決めるため、居住者用ゾーンの位置を考慮すると上図の位置とするのがセオリーとなります。

実際は、そこまでを見越して居住者用コアの位置を考えていくとエスキスがうまく進められます。

《一級建築士製図試験》エスキスで重要！「室の配置順序」について

上図のように、2階が住戸パターンの時、コアの考え方は3階建コミュセン型とは大きく変わります。

コアの考え方がコミュセン型と異なる点は、2つあると考えています。

2階に一般利用者の室がない場合、【一般ＥＨ → (利用者用)コア → 2階】という動線がなくなるため、上階への動線は、【居住者用ＥＨ → 居住者用コア → 住戸】という動線のみとなります。

(一般)ＥＨと(利用者用)コアのつながりがなくなることで、エントランスホールとコアの位置関係が大きく変わります。

管理用階段ではなく、単に避難階段となるため、建物内にある必要はなく、屋外階段となるのが試験上、多くなります。

屋外階段で計画した時、注意が必要なことが2つあります。

一般実務では、屋外階段の形状に応じて面積の算定方法があります。（庇に似た算定方法）
しかし、試験における面積の算定は〔課題文〕によるローカルルールが採用されることが多いため、適切に課題文に従いましょう。

そして、面積が算入される場合は、漏れなく計算しましょう。

また、エスキスの前半では、屋外階段の面積を検討せずに進めるケースがありますが、それ以外の建物全体の面積が指定面積ギリギリの場合、面積オーバーとなってしまうことも考えられます。
面積をオーバーしてしまうと、内容に関係なく、不合格が決定してしまうため、特に注意が必要です。

避難階段となる屋外階段は、地上に降りたら避難通路を通って敷地外へ避難する動線を確保することになります。

試験的なテクニックとして、屋外階段の上り始めは、建物本体の外壁面と隣り合っている位置とすると、屋外階段から隣地境界の空間で避難する時の動線を考慮しているように見えます。