《一級建築士製図試験》受験者必見!「解答例を使用した学習」について

一級建築士 製図試験

Ohashi / 建築技術研究所 です。

資格学校の講座を受講する方にも、そうでない方にも学習初期において「解答例を写す」という練習方法は、自分でエスキスをせずに作図の練習ができ、課題発表前に目指したい作図のスピードアップにつながるため、とても有効です。

しかしながら、正しい方法で行わなければ、その時間が意味のない時間になってしまいます。

そこで今回は、私が思う「解答例を使用した学習」についてまとめました。

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そのまま写さない

解答例を使用して練習する際には、始めに1/200で描かれた図面を1/400のエスキスに戻すという作業をします。

これには、2つの意味があります。

  • どれだけエスキスを作り込めば手が止まらないかを確認する。
  • 室を配置する順番を覚える。

どれだけエスキスを作り込めば手が止まらないかを確認する

当たり前の話ですが、建築士製図試験においては、予め作図されたものを写すという作業は存在しないため、予め出来上がった図面をどれだけ写しても、本番で役に立つ練習にはなりません。

1/400に戻す作業をすることで、エスキスを自分で行わなくても、本番に近い形の練習が行えます。

その際に確認したいのは、自分がどれだけエスキスを作り込めばてが止まらないかです。

人によっては、窓の位置などの詳細はエスキスで作り込まなくても手が止まらずに作図できる人や、ある程度、詳細に描き込まないと考える時間が生まれて手が止まってしまう人など様々です。

繰返しの練習の中でその程度を掴んでいくことが必要になります。

室を配置する順番を覚える。

もうひとつは、作図練習の準備作業でありながら、エスキスの練習になるからです。

1/200の図面から1/400のエスキスの状態に戻るにあたって、何も考えない単純な作業とはせず、実際にエスキスをするように写していきます。

その際に注意したいことは、エスキスの組み立てとして、どの室から配置するかを考えて写していくことです。

基本的な順序として、(課題により変化はしますが)「大きな室を建物の角から」が原則です。
また、「利用者ゾーンの室」と「管理ゾーンの室」では、「利用者―」の室が優先されます。

エスキスの中でもこの室を配置する順序は、どちらかといえば、頭で考えるよりは体(手)で覚えていくことで本番でも安心してエスキスできる力が付きます。

資格学校の講座を受講している方は、室に配置する順序で番号を付けて講師に確認してもらってください。ちゃんとした講師なら必ず答えてくれます。
私がSにの講座を受講していた時も、そのような方法で質問していた受講生がいましたし、講師も時間を割いて説明していました。(当然、その方は合格しました。)
そのような積極的な姿勢が合格には必要です。

作図後の答え合わせ

作図完了後は、元の図面と見比べると自分がどの程度再現できたかを確認できます。
(※解答例が完璧だというわけではないので、各自で課題毎に内容の確認は必要だと思います。)

特に、1/400のエスキスの状態から1/200の図面にしたときに、元の図面にあって、自分が描いた図面にないものを確認します。

そして、その結果をフィードバックして、次に作図する際には、その描き表せなかったものを予めエスキスに描き込むなど工夫することで、より質の高い図面が描けるようになります。

ちなみに、エスキスがうまくできるようになる前は、動線が長くなりやすく避難(重複)距離が30mを超えていることが多いことから、作図後に検討すると手戻りが多くなってしまうため、避難(重複)距離をエスキス時に検討することで、この点での失格を回避できます。

その他

作図自体は単純な作業に徹することで速くなります。

以前にブログにまとめているので、そちらも参考にしてください。

まとめ

  • 図面はそのまま写さず、本番に近い状態で練習する。
  • 自分が描いた図面と解答例を見比べ、足りない部分を次にフィードバックする。
  • 作図自体は、単純な作業。
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