建物外形を複雑にさせる屋上庭園は、空間構成に大きな影響を与えます。
しかし、基本的な構成を意識するだけで簡単にエスキスを進める事ができます。
そこで今回は、屋上庭園の平面的配置についてお伝えします。
- 屋上庭園は、日当たりがある位置が理想
- 管理ゾーンの反対側に配置することで動線を確保できる
日当たりのある位置
建築関係の仕事をしている方なら、屋上庭園に日照が必要なことは感覚的にも理解していることと思います。
そして、日照を最も確保できるのは、南側です。
しかし、製図試験のエスキスにおいて、その南側だけに拘るのは、計画の自由度を自分で下げてしまいます。
そのために敢えて「日当たりのある」という表現をしています。
南側以外にも東側、西側は可です。
この時、”絶対ナイ”となるのは、北側のみに面することです。
ただし、どうしてもエスキスがまとめられない時は、今回お伝えすることの中で最初に諦めて良いです。
なぜなら、これは、課題指定ではなく、”自分で勝手に決めたこと”になるからです。
管理ゾーンの反対側
管理ゾーンの反対側がいいというよりは、管理ゾーンと隣接してはいけないため、結果として、反対側になります。
隣接してはいけない理由は、2つあります。
- 管理用動線を確保できなくなる
- 管理ゾーンに隣接した屋上庭園が利用者にとって有効な空間にならない
管理用動線を確保できない
屋上庭園を管理ゾーンに隣接させると、その階は、ホールを介することなく管理ゾーンから利用者の室への動線を確保できなくなります。
利用者にとって有効な空間でない
管理ゾーンに隣接した屋上庭園は、屋内空間(利用者の室)との関係性を持たせることができません。
そのため、計画上”ただあるだけ”の空間になってしまい、その役割を充分に果たせません。
試験でよく出る『豊かな空間』とは、何なのかを考える必要があり、それを補足説明すれば、”設計者”としての意図を出題者(施主)にアピールすることができます。
まとめ
- 屋上庭園は、日当たりがある位置が理想
- 管理ゾーンの反対側に配置することで動線を確保できる