何事も最初が肝心で、それは建築士試験でも共通しています。
一級建築士試験では、特に、製図2,3年目の受験者の合格の第一歩は、学習初期のスケジューリングにあると思っています。
資格学校の長期製図を利用する方は、3月から始まる挑戦に向けて入念に計画したうえで学習を進めることで、合格の可能性を格段に上げることができます。
そこで、今回は、過年度(製図2,3年目)の受験者に向けて、押さえるべき試験スケジュールとその対応についてお伝えします。
- 合格に向けた全体的な見通しを立てる
- 課題発表前後でやるべきことをやるべきときに《実行する》《できるようになる》
- 週,月単位で目標を設定し、それからの逆算で学習計画を決める
計画的学習の重要性
一級建築士試験では、やるべき時にやるべきことを確実に《実行する》《できるようになる》ことが、合格するためには必須になります。
ただし、他の人ができることをできるようになるだけでは不十分で、【+α】の学習が重要になります。
現状として、一級建築士製図試験は、上位3割が合格する試験になっています。また、その約9割が資格学校を利用しています。
つまり、今は、資格学校を利用する受験者の中でも上位3割以上でなければ、合格できない時代です。
そのため、同じ講義を受けて、同じようにできるようになるだけではダメで、各々が実力に合わせたトレーニングをする必要があります。
そして、忙しい中でその【+α】の学習をするためには、絶対的に計画的学習が必要ということになります。
重要なタイミング
過年度受験者が押さえるべきタイミングは、7月の【課題発表】です。
この前後で取り組むべき内容が大きく変わることになります。
また、全体を通して重要なのは、「絶対に合格する」という強い気持ちです。
そして、そのために何をすべきかを考えることから、製図試験の勉強が始まります。
3月~課題発表前(7月)
前半の学習で押さえるポイントは、大きく分けると以下の4つです。
これらを《実行する》《できるようになる》ために、何をすべきかを2月中旬くらいから少しずつ計画を練っていくことが、あなたを合格へ近づけます。
- 安定した作図速度
- エスキス手順の確立
- 基本的な空間構成の習得
- どんな課題にも共通する知識の積上げ
【どんな課題にも共通する積上げ】とは、〈トイレ〉〈階段〉〈植栽〉等の詳細な計画や作図方法、設備・構造の基礎知識といった建築物であれば必ず必要になる知識を積上げることを指します。
”積上げ”については、以下の記事でご紹介していますので参考にしてください。
その他については別記事でお伝えしているのでご参照ください。
課題発表以降(7月~10月)
課題発表以降では、課題の特性にあった学習に終始します。
課題の特性にあった学習とは、以下のようなものがあります。
ただし、ここからの学習は、課題発表前にできるべきことが確実にできていることが前提になります。
この時点で、それができないということは、他の受験者から後れを取っていると考えるべきです。
- 室・空間の面積算定
- 特有の納まり
- 特有の設備
- 空間的性質の理解
詳細については、基本的な積上げと同様に別記事にしているので、ご参照ください。
細分化した目標設定
ここまでお伝えしてきな内容は、課題発表前後でやるべきことの大枠です。
これらができるようになるためには、各々の実力にあわせて、週単位や月単位で予定を決めて学習しましょう。
くれぐれも”なんとなく”やった気になるだけの学習をこなすことはせず、週末や月末に自分がどのようになっていたいのかを考えてそこから逆算して学習計画を練りましょう。
また、資格学校の宿題課題は、週後半に行うと、完成させることが目的となることで本来得られるはずだった効果が得られないため、週の前半で取り組むことをおすすめしています。
まとめ
- 合格に向けた全体的な見通しを立てる
- 課題発表前後でやるべきことをやるべきときに《実行する》《できるようになる》
- 週,月単位で目標を設定し、それからの逆算で学習計画を決める