試験直前になると技術的な能力を伸ばすことにも限界があります。
そのため、試験に合格するためには、試験の特性を理解したうえでの試験の進め方をする必要があります。
今回は、その試験の特性を理解したうえでの試験の進め方 のポイントをお伝えします。
- 自分のタイムスケジュール通りに進める
- 【問題の難易度】≒【合否を分ける採点基準】を見極める
- 時間厳守で進め、試験終盤でのチェックに時間を使う
- 採点基準になりやすい点を優先して確認していく
試験時間〔6時間30分〕を有効に使う
まず、製図試験を進めるうえでのポイントのひとつは、【試験時間の使い方】です。
これまで十分に練習してきた受験者であれば、自分タイムスケジュールを持っていることだと思います。
試験のベストな対応は、そのタイムスケジュール通りに進めることです。
しかし、試験本番では、なかなか思うようにいかないのが実情です。
その思い通りに進められない状況で、いかに巧く試験を進めるかは、問題の難易度を見極める力が決め手になります。
【問題の難易度を見極める】とは
問題の難易度を見極める要素は以下ようなものがあります。
- 敷地条件
- ゾーニング
- ボリューム検討
そして、試験序盤の課題文の読取りの作業で、これらの要素がどのくらい難しいのか、はたまた、簡単なのかを見極めます。
なぜ、難易度の見極めが大事かというと、受験者の大半ができていない部分は、合格率調整のための採点基準になりにくいからです。
反対に、4割程度の受験者ができている内容が、合格率調整のための採点基準として採用されやすいです。
つまり、ここでいう【問題の難易度】≒【合否を分ける採点基準】を見極めるということになります。
ちなみに、最近の傾向としては、このうちの「敷地条件」が難しい傾向にあります。
試験時間を意識する
受験者の大半ができていない部分は、最低限の処理さえできていれば(※)合否に影響を与えないため、エスキスは時間を優先して、7~8割できていれば次に進んでいきます。
反対に、問題が簡単な時は、内容で差が出にくいため、作業全体の速度や精度を上げて、密度の高い図面を完成させなければなりません。
ここで時間厳守で進める理由は、試験終盤でのチェックに時間を使うためです。
(※)最低限の基準も他の受験者の結果によっても変わってくるため、一概に分からない部分が大きいですが、7~8割できていれば、クリアしているものだと考えて頂ければよいかと思います。
チェックは失格項目から
最終チェックでは、先に挙げたように合格率調整のための採点基準になりやすい点を優先して確認していきます。また、階段の上下階不整合などの失格項目も押さえる必要があります。
近年の試験では、延焼ラインや特防・防火設備の表現が定番化しています。
そして、これらの表現は、近年の試験での合否に影響を与えています。
採点上、忘れていた=理解していないとして受け取られるため、合格できないことが多いです。
確実にチェックで拾って失点を最小限にしましょう。
他の受験者に惑わされない
最後にお伝えしたいポイントは、《他の受験者に惑わされない》ということです。
とにかく時間厳守
試験本番になると、ミスしたくない気持ちが強くなり、課題文の読み取りやエスキスの時間が延びる受験者が多い傾向にありますが、それに付き合ってはいけません。
経験上、2時間で作ったプランと2時間半のプランでは大差はなく、先述の通り、時間厳守で終盤の時間を確保した方が、合格に近づくことができます。
そのため、雰囲気に流されて慎重になりすぎると自分の首を絞めることになります。
驚きの行動
製図試験を受験すると、他の受験者の行動に驚かされることがありますが、気にせず、自分のやるべき事を淡々と進めましょう。
試験序盤で諦めて退出する受験者がいたり、中には、突然泣き出す受験者がいたりします。
エスキスがうまくいかないと本当に泣きたくなりますが、合格したければ淡々と進めなければいけません。
まとめ
- 自分のタイムスケジュール通りに進める
- 【問題の難易度】≒【合否を分ける採点基準】を見極める
- 時間厳守で進め、試験終盤でのチェックに時間を使う
- 採点基準になりやすい点を優先して確認していく