建築技術研究所 です。
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今回は、学科Ⅳ(構造)の過去問の中から、たわみ量の比較について、試験的な考え方を解説します。(R1年度No.2)
著作権等の理由から本記事では、試験問題を掲出しておりません。
以下のリンクより過去の試験問題等(公益財団法人建築技術教育普及センター)をご参照ください。
断面二次モーメントは、部材せいの3乗に比例する
公式の成り立ちを理解すれば、簡単な計算のみで正答しを選ぶことができる
必要な公式
基本的な考え方
本問では、『材料、スパンが同じ―』とあり、題意より【定数1/48】【集中荷重[P]】【ヤング係数[E]】【長さ[L]】が等しいため、断面2次モーメント[I]のみを比較すれば、解答できます。
そのため、下式の計算結果の比を求めます。
IA=2a*(2a)3/12=16a4/12
→ δA=12/16a4
IB=a*(2a)3/12*2=8a4/12*2=16a4/12
→ δB=12/16a4
IC=2a*a3/12*2=2a4/12*2=4a4/12
→ δB=12/4a4
以上により、たわみの比は以下のようになます。
試験的な考え方
公式からわかるように、断面二次モーメントは部材幅より部材せいの大きさが影響しています。(せいの3乗に比例)
本問の場合、A,Bは部材せいが等しく、幅については、BはAの半分が2つ(=等しい)ため、断面二次モーメントは、計算せずとも等しくなることが分かります。
また、Cは、せいがA及びBと比べて1/2で幅がA,B×2と等しいものが2つあります。
そのため、Cの断面二次モーメントはA及びBと比べて、(1/2)3×2=1/4となることが分かります。
そのため、断面二次モーメントの逆数(1/I)となるたわみ量は、前項の通り、δA:δB:δC=1:1:4となります。
このように、計算結果の比を答える問題の場合は、公式の成り立ちを理解すれば、選択肢を最大限に利用することにより、簡単な計算のみで正答肢を選ぶことができます。
まとめ
断面二次モーメントは、部材せいの3乗に比例する
公式の成り立ちを理解すれば、簡単な計算のみで正答しを選ぶことができる